memo
20251122
ポンペイを壊滅させたヴェスヴィオ噴火で死亡した大プリニウスが「いつも自然を観察しているうちに、自然には信じられないことなど何ひとつないと信じるよう導かれた」と書いているのは、出来過ぎですね……。
20251109
近隣の野草が穂を付ける前にあらかた刈られてしまった……。
春に続き、本来喜ぶべき行政の合理化、効率化によって年に2回の楽しみが泡と消えてしまうとは。誰かの喜びは誰かの悲しみであるとはよく言ったもので……まあ、ただ眺めて気分が良くなる程度の喜びと防虫防獣防犯の実利は比べるべくもないので仕方ないことですけれど。
20251020
数日経ちましたけれど、↓の『Redemption Reapers』のエンディングがずっと頭の片隅にあって苦しいです。
ストーリーとしては納得出来るものだし美しささえ感じたのは本当で、けれどやっぱりもう、こんな終わり方!という気持ちも抜けない。
ロルトスかナキを主人公にしてルーデン軍を率いる感じの続編などはないのでしょうか……一作で終わらせるには惜しい世界ですよ……。
20251016
1ヶ月くらいかけて遊んできたSRPG『Redemption Reapers』をクリアしました。プレイ時間は20時間ほど。
戦闘部分は固定キャラ5人のみでカスタマイズ幅もほとんどなく、再移動を駆使していかに連携を組み立てるかというパズル的感覚。キャラロストはないのでクリアするだけなら強気に動かしてもよさそうですけれど、評価Aコンプリートは結構難しそうです。(いくつかのマップで見えない規定ターン数をオーバーして評価Bに……)
ストーリーは救いのない世界で必死に希望を繋ぐ撤退戦、ということに終始して、バックグラウンドはいろいろありつつも込み入った話ではなく、主人公たちが迎える結末も好みが分かれそうですけれど、カットシーンの雰囲気も良くて個人的には傑作と言っていいでしょう。敵が最初から最後まで完全に正体不明の存在のままだったのは残念でしたけれど、ほとんどセリフのない最後のシーンはただ見ているだけなのにコントローラーを握る手に力が入ってしまいました。アクションの出来も良いし、皆が空を見上げていたのが本当に本当に……。
あと読み物としてマップで拾える遺物というシステムがあって、怪物の脅威が刻々と迫る生活の記述が素晴らしかったです。とくに司祭の手記、信徒の手記はもう……心が苦しくて。それほど長い文章ではないのに文体もとても魅力的で、この二篇を読めただけでも本作を遊ぶ価値はあったと思います。それと全アイテム、全武器になかなか凝ったフレーバーテキストがあるのも最高です。
全体的にかなり暗く緩和なんて全然ないゲームなのですけれど、尊い情念がそこかしこに見える良いゲームでした。
20251005
本に直接何かを書き込むというのは所有権が自分にあったとしても気が引けるものです。けれど以前買ったとある古本に見知らぬ過去の所有者ふたりによるメモ書きが残されていて、それがとても良いものに思えたのでした。あまり目に触れることのない、ちいさな歴史を見つけたような。
20250926
ヨーロッパ暗黒時代の百科事典には「ダチョウは主にライオンを食べる」というような記述があったといいます。これも他の諸分野と同様、古代ローマ時代の資料を元にしているものらしいのですけれど、ある程度科学的な見方が定着する前の時代の人々が見ていた世界はとても興味深いものです。そしてこの先何百年後かの人間からすれば現代の辞書も似たようなものなのかもしれま せん。
20250919
一夜にして急に過ごしやすくなった気温と桟に当たる小雨の音、幸せです。
なんて安上がりな人間だろう、と時々自分でも思いますけれど、対価を払ったところでこれに代えられるものも思いつかないのですよね……。
20250908
歌人、小笠原魔土の『一生のジグソーパズルが終わっても現れる絵は抽象画かも』という歌が好き。どんな画なのかもわからないまま、ピースを填めている途中です。
20250829
おそらく建築関係の何かだと思うのですけれど、近所にどことなく魔術的なものを感じさせる線や印が描かれていて、そこを通るたびにちょっとわくわくします。
現代物ならグラフィティや職業的描画の中に魔術を仕込む、またはそのつもりはなかったのに条件が成立してしまう、というのは結構良いかもしれません。
20250817
久しぶりに『ファイヤー・ハート 怒れる戦士』を観ました。実在のリトアニア義賊のお話です。
ストーリーはちょっと地味ですけれど、人間がいろいろと足掻いている中でも平然とした緑溢れる映像がやっぱり良い。エンディングのraudoni vakaraiも大好き。
20250812
ネイティブアメリカン、ソーク族に伝わる言葉に「私の前を歩くな、私が従うとは限らない。私の後ろを歩くな、私が導くとは限らない。私と共に歩け、私たちはひとつなのだから。」というものがあります。
ひとを引っ張っていく力がある人、後に続くことでこそ力を発揮する人、もちろんいろいろですけれど、人と人との最良の関係は結局のところ並んで共に歩けること、なのでしょうか。そんな気もしますね。
20250730
「計画と準備が無意味になった後で、自分が旅をするのではなく、旅が自分を連れていくことを発見するのである。」(発言者不明)や、「すなわち人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。」(V.E.フランクル『夜と霧』)のような、主体を人間から人間の持つ観念に置き換える考え方が好きです。とくに運命などを信じているわけではないのですけれど、個々の人格や意思こそが自分自身の最前線に立つもの、という気もしないんですよね……。