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憧れの武器
「シャイナ、昨日のアレ見たか? いいよなあ……」
「アレってなによ」
「こっちの指揮官が持ってた剣だよ! ありゃたぶん聖銀製だぜ」
「へ〜そうなんだ」
「なんだ、そのいかにも興味なさそうな反応は」
「味方の武器なんかいちいち見てないし……まああの人、露骨に剣を見せびらかしてたから何かあるんだろうとは思ってたけど」
「お前、正気か? 聖銀の装備って言ったらみんなの憧れだろうが。そりゃ自慢したくもなるさ」
「ふーん」
「なんたって強い!格好良い!めちゃくちゃ高い! くそーっ羨ましいな!」
「バカ」
「バカ!?」
「要するに私たちとは縁がないってことでしょ。そもそも店で売ってないし、あんなの普通は教会の騎士か昨日のみたいな軍のお偉いさんくらいにしか使えないよ」
「そんなのやってみなきゃ……ん? お前、やけに詳しいな」
「…………常識でしょ?」
「ふふん、お前だって本当は欲しいんだろ?」
「ま……まあ、貰えるならね」
「貰えるわけねーだろ!」
「だからそう言ってるじゃん……」
「いや待てよ、でも可能性はある……!」
「たとえば?」
「そいつを持ってる帝国の奴らをこの手で倒せば、所有権は俺!」
「いやいや、そんな武器持ってるような敵、私たちじゃ手も足も出ないでしょ」
「じゃあそいつらを倒せるくらい強くなれば……」
「えーっと……うん、いいね! そうと決まれば早速訓練所に行こう!」
「いや、やっぱ無理だなそれは。別の方法を考える必要がある」
「こいつ……」
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