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依頼主

「なあ、さっき港にいた青ローブの奴らって何者なんだろうな」
「あいつらは西の魔道士だよ」
「噂の魔道院ってとこの連中か……なんか機嫌悪いけど因縁でもあるのか、お前」
「あんたと組む前だけど一度ああいうのを護衛したことあってね」
「ん? 魔道士なら自分の身くらい自分で守れるんじゃねえの?」
「さあ……詳しいことは知らないけど、とにかくいけすかない奴らだった」
「けどあの身なりからして、金払いは良さそうだな」
「全然! 私なんて報酬値切られたし」
「マジか」
「まあ、今にして思えばわざわざ外国から来て《二等鉄》に依頼出してる時点で察するべきだったんだけど」
「あー、確かに外国人の護衛の依頼はだいたい《銀》からか」
「あの頃の私に教えてあげたいわ、西方人は偉そうでケチ!って」
「まあ、それはこっちの貴族も似たようなもんだが」
「そうそう、後から聞いたら西方魔道院もほとんどが貴族らしいんだよね」
「要するにどこでも同じってことか……しかしお前の貴族嫌い魔道士嫌いにそんな理由があったとはな」
「それだけじゃないけど、私、根に持つほうだから」
「それは知ってる」
「とにかく貴族からの依頼なんて受けるもんじゃない!っていう方針でこれからもやっていくからよろしく」
「俺は金さえ貰えりゃ雇い主の素性はどうでもいいが……やっぱり結構単純な奴だよな、お前って」
「傭兵っぽくって良いでしょ?」

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