トラファ島
大陸南西、リュス海に位置する島。
大陸に面した一部の地域がベリニス侯国として西方連合に属しており、その他の多くの地域は未開拓のままである。西方では貴重な魔晶石の有力な産地で、島の中央部にはさらに大きな鉱脈が眠っていると目されているため、ベリニス候や大陸の数名の領主が開拓団を組織して島内を南進しているものの、険しい地形と大陸では見られない獰猛な獣や獣人と呼ばれる存在が障害となり進行は低調に留まっている。また、いくつかの海賊団が未開拓の海岸地帯を本拠地としているらしく、西方南部からファルア王国西部の海運の脅威となっている。
魔晶石以外にも需要の高い良質な鋼材を西方各地に輸出している一方、農業には適さない土地柄のため食料の多くを輸入に頼っている。
バラム鉱山
島内東部にある青銀鉱の産地。
青銀鉱は聖銀を含有する中で最もその比重が高い希少な鉱物であり、最高級位の装飾品、武器や防具に利用されるため大陸中で重宝される。とくにバラム聖銀で作られた武器は死霊に対して絶大な効果を誇ることから、対死霊の最前線に立つ崇天教会が最大の取引相手になっている。
その名は西方王国時代、初期の開拓団を率いて鉱山を発見したバラム男爵にちなみ、島がベリニス候爵家の支配地域になった後も王家の保護のもと鉱山の利用権はバラム家が占有していた。しかし王制崩壊にともない徐々に特権が取り除かれ、さらに追い打ちをかけるように発生した獣人による鉱山襲撃によりバラム家が断絶したことで、現在はベリニス候が全権を握っている。


ララカ開拓基地
大陸側からバラム鉱山を越えた南に設置された基地。
主に地元ベリニスから募られた開拓者が暮らし、ここからさらに南へと探索に出掛けていく。人口、施設ともに通常の町と遜色ない程度に充実しているが、それは開拓が長年行き詰まっていることの証左でもある。
探索要員は生還率が高いとはいえないため常に広く人員を募集しており、また探索へ出発する前日には参加者へ豪勢な食事が振る舞われることから、実情を知る者はここを上等な処刑場だと揶揄することも多い。
現在基地の責任者はベリニス領軍のドロゥ・カロドゥ将軍であり、世界有数の採掘地にいながら開拓者の手にほとんど渡ることがなかった聖銀の武器を探索用に確保するなど開拓に非常に意欲的。また、魔晶石の産地にもほど近いため連合魔道院の魔道官も数名が常駐し、そのための研究施設も備わっている。