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ミラド地方

 ほぼ全域をファルア王国が支配下に置く、大陸南部の地方。

 複数の大河によって水利に困ることがなく農地も肥沃で収穫量も大陸屈指だが、それゆえに幾多の戦いが繰り広げられてきた土地でもある。また王国樹立以来徐々に改善されているものの治水にも悩まされ、頻繁に洪水が起きている。とくに異常な長雨となった大戦期にはきわめて甚大な被害を受けており、兵士が前線から戻ると洪水とそれによる食料不足によって村がまるごと消滅していたという事例が多く発生した。

 大陸の東西を繋ぐ街道は人の往来が非常に多く、大戦後の立て直しに成功した町のほとんどがこの道沿いに門を構えている一方で、道から遠ざかると急速に人里は減っていき、高地や森林地帯には死霊や魔獣がさまよう。

​傭兵街ブラスアート

 住民のおよそ半数が傭兵という、特殊な傭兵制度を持つ王国ならではの都市。強固な外壁と​王都以上の面積を誇り、ファルア王家により強い自治権を与えられている。

 街全体を傭兵ギルドが統制する10の区画で切り分けており、ギルド本部が置かれている一番街から順を追うごとに住民の傭兵としての階級、生活水準は下がっていく傾向にあるが、十番街に住み続ける高位傭兵なども少なくない。

 傭兵以外の住民もほとんどが何らかの形で戦に関わっており、鍛冶職人、武器商人、救護院なども独自の組合組織のもとで街と傭兵業務を支えている。また、《王国派》崇天教会とも密接な連携を取り、教理上重要な土地ではないにも係わらず、西方にある第一の聖地ミナスに次いで多くの《杖持ち》と聖なる原木が配置されている。

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​キリキナ

 ミラド地方南部、ツィーナ大河の三角州に築かれた街。

 東方、西方からの品物が運び込まれる港町として古くから栄え、度重なる水害を受けながらも、現在は世界最高の食の都として知られている。その名声は「ランダイト皇帝はここで食い倒れる生活をしたいがために戦争をしている」と言われるほどである。

 ブラスアートをはじめする他のいくつかの王国都市と同様、領主を持たず商人など民間の組合によって運営される街であり、住民たちはときには王の意向にも異議を唱え従うことを拒否する頑強な自負心を持っている。

​ 侵略者への防備も念入りにしており、世界的にも珍しい人種や信仰を一切問わない混成軍《キリキナ防衛隊》は有力な傭兵団にも引けを取らない戦力を誇る。

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